UQmobileとY!mobileのライバル関係が熾烈な件~2社を比較
⇒2017/01/10追記有り

ワタクシ思うに、現在の「UQmobile」の通信品質や速度は、ある意味で「Y!mobile」のおかげ…という事ができるかもしれません(笑)。
というのも、元々KDDIの子会社経営でスタートし、auの回線そのものを使うMVNO=それ反則でしょ状態で始まった「UQmobile」のサービスですが、途中で(資本は入っていると言え)「UQコミュニケーションズ」に運営が移ったことで、通信速度の低下を招きました。
しかし、2016年初夏以降の通信速度・品質の改善は、あきらかに「Y!mobile」を意識したもの…と言えると思います。
「Y!mobile」が、キャリアそのものの回線品質・速度+10分通話し放題をセットにして月額1,980(ワンキュッパ)円をウリに多くのユーザーを獲得し、auからの流出先ナンバー1になるに及んで急きょ「UQmobile」をサブブランド化してライバル関係に仕立て上げた…と見る事ができます。
料金プランもものの見事に「1,980円/2,980円」をぶつけ、サービス内容でも拮抗した内容でライバル関係を挑んでいったわけです。
8月の決算説明会においてKDDI田中社長は、『流出先がUQ mobileならまだ良い。auの回線を使うUQ mobileなら、再びauに戻ってくれる可能性もある。ネットワーク回線の使用料という形で我々の収入にもなる』と述べ、流出ユーザーの受け入れ先として、他社(Y!mobile他)よりUQmobileが望ましいとの見解を示したことが如実にそれを裏付けています(≧▽≦)
スポンサーリンク
2016秋冬発表会
10/24(月)に開催されたUQmobileの「2016秋冬発表会」では、従来不足していたセット端末の拡充もありましたし、新サービスとして「5分間かけ放題」を導入する等、「UQmobileは本気だ」と非常に意欲的な姿勢をみせていました。
「5分間かけ放題」は、従来のUQmobile1,980円プランでは無料通話パックのような形で、1回ごとの通話時間には無関係に月間60分ぶんの無料通話が付帯する形をとっていましたが、今回、UQでも「5分間かけ放題」のプランの導入が発表された訳です。
これは明らかに「Y!mobile」を意識したもので、あきらかに対抗意識が見えます。
通話時間は短い(YMは10分間)ものの、その分、回数は無制限とし、さらに従来の「無料通話パック」も選択肢として残すため、ユーザーの希望によっては「Y!mobile」よりも選択肢が多い事になり、どちらが「上」とか「優れている」とは言えない状況を生み出しています。
Y!mobile 月間300回の制限を撤廃
「Y!mobile」のプランの魅力の1つに、「10分間かけ放題300回/月」という通話サービスがありました。
この人気サービスの「300回まで」という制限を、来年(2017年2月)から撤廃する…と発表しました。
「UQmobile」の新サービス導入の発表を受けて…かどうかは定かではありませんし、他にも様々な理由があるのでしょうが、タイミング的にはやっとUQmobileが「5分間」と言えども同様のサービス開始を発表した直後の「回数制限撤廃」の発表は、ワタクシ的には「UQmobile」を突き放す意図を感じずにはいられません(≧▽≦)
現実的には、10分間の通話を月間300回超かける方が周囲にいない事もあってあまり有難みがピンとこないのですが、営業等で電話しまくりの方には大きな朗報なのかもしれません。
来年2月までまだ時間がありますので、もしかすると「5分間かけ放題」の開始時点で何らかの付加・変更があるかもしれませんね(10分間にしてくるとか…)。
iPhoneへの対応
iPhoneへの対応もほぼ同時でした。
これまでは、「UQmobile」も「Y!mobile」もiPhoneは公式サポートを明記していませんでしたが、突然に「動作確認」に掲載されました。
さらに、au回線での「iPhone」サポートは、「mineo」も参戦して三つ巴の様相となっています。
関連記事:『UQmobile・Y!mobile・mineo(Aplan)で iPhoneを正式サポート』
一口に「iPhoneをサポート」と言っても各社で少し違いがあります(2017年1月時点の対応iOSに更新済み)。
===(2017/01/10追記)======
※2017/01月時点での対応iOS
UQmobileの動作確認端末に「iPhone6/6Plus」が追加になりました。対応は「SIMフリー版」「au版」のみで、「UQ版iPhone5s」と同様の「専用SIM」を使用し、テザリングも可能としています。また全ての対応iPhoneで、「iOS10.2」がサポートとなっています。
Y!mobileでは「iPhone7Plus」のみ「iOS10.1.1」対応となっています。
mineo-Aでは、全てのサポートiPhoneについて「iOS10.2」対応となっています。
テザリングは、UQmobileのみ対応である事は変化ありません。
===(追記ここまで)======
端末では「iPhone7」をサポートしているのは「Y!mobile」「mineo」ですが、OSでは「10.1」をサポートしているのは「UQmobile」「mineo」です。テザリングで見ると「UQmobile」のみがサポートしており、ユーザーがどんな機能やサービスを求めているかによって、どの事業者を選択すべきかが変わってくる状況です。
例えば、ワタクシが求める最大値は、「iPhone7」でApplePayを利用でき「テザリング」ができること…ですが、公式サポートの状況のみで判断すれば、3社ともこの希望を満たしてくれません。
テザリングが必要であれば「UQmobile」、iPhone7を使いたければ「Y!mobile」「mineo」ですし、さらに「ApplePay」を利用したい場合には「mineo」しか選択肢がありませんがテザリングが不可です。
全てを満たすためには通信速度を期待しにくい「ドコモ系」からチョイスするしかなく、速度まで含めてしまうと、本当に「これだ!」という事業者がない…という状況になっています(≧▽≦)
ドコモ・チョイス…という妙な方向へ話しが行ってしまいましたが、ユーザーが何を求めるかで、チョイスすべき事業者が違う…と言うのが(不本意ながら)結論かと思います💦
ワタクシの場合は、仕事がら「テザリング」必須ですので、せっかく購入した「iPhone7」から、メイン端末を「6s」に戻しての「UQmobile」という苦渋の選択をしたところです( ;∀;)
スポンサーリンク
通信速度
どのスピードテストサイトさんを拝見しても、ドコモ系が速度に苦心している中、「Y!mobile」と「UQmobile」の通信品質や速度には高い評価となっています。
「Y!mobile」はキャリアそのものですから当然としても、一応はMVNOのポジションにいる「UQmobile」がキャリア並みの速度を維持していることが驚異的ともいえるのかもしれません。
ちょっと詳しい方なら、現在の「UQmobile」の立ち位置から来る優位性や、時折見せる速度低下の問題など、必ずしもMVNOとして盤石…と言う訳ではない事はご存知かもしれませんが、ただ、キャリアである「Y!mobile」をライバル視してゆくこと自体、なかなかすごい事だな…と感じる部分があります。
「Y!mobile」は速度を計測してみると、実は、最高速はそんなに出ていないことがわかりますが、「Y!Mobile」の特徴は、「いつでもどこでも平均的に速い」という事だろうと思います。朝であろうが、昼であろうが、夜であろうが関係なしに、ほぼ一定の速度を計測できるのは、キャリアならではの余裕を感じます。
一方の「UQmobile」は、出る時にはトンでもなく出て、50~70Mbpsなどという不必要とも思える速度を計測する事もある一方で、やはり昼時や夜間などで混雑する時間帯には、実用域にはあるものの最高速からはかなり速度が落ちるケースもあります。
これはMVNOの宿命とも言える部分ですが、先日のUQmobileの「発表会」では公式な「発表」としては言及されませんでしたが、質疑応答の際に「UQは速度にこだわってゆきたい」との社長発言があり、これもキャリアそのものの「Y!mobile」に通信速度でも負けませんよ…という宣言とも取れる発言だったように思いますし、そうした宿命的な速度低下さえも乗り越えてゆこうとするような意欲を感じました。
両方のSIMを使っているワタクシですけれど、UQmobileの方がやはり速度低下等の変動があり、「Y!mobile」はいつでも横綱相撲的な超安定感ですが、実際にはどちらも甲乙つけがたい…というのが本音です。
実際に「発表会」(月曜日)前週までは、昼12時台の速度低下(というより何らかの異常?)が多発していましたが、週明け「発表会」当日には、以前にも増しての「バカッ速」ぶりを見せています。
もちろん、UQmobileはMVNOですから、キャリアそのものの「Y!Mobile」と同等…とはいかないかもしれませんが、社長の言通りに通信速度にこだわって頂きたいと思います。
ライバル関係は続く
「Y!mobile」側の話しを聞いた事がないので分かりませんが、先日の「発表会」では、少なくとも「UQmobile」側は「Y!mobile」を強く意識していることが言葉の端々に現れていましたし、明確な言葉として現れていなくても、「かけ放題」の回数制限をUQの発表会の直後に撤廃してくるなど、やはり意識しているのかな…と思わざるを得ませんよね。
片や「Y!mobile」はキャリアですから、放っておけば~つまりライバルが現れて凌ぎを削らなければ~親方日の丸になって、サービスの向上は見込めないと言う可能性も否定できないと思いますが、「UQmobile」がライバル意識むき出しで様々な場面で挑んでゆくことで、きっと両社は今後も人気「格安SIM」であり続けるのではないかと思います。
次のライバル対決のステージでは、「Y!mobile」がiOS10.1に対応し、テザリングを可能にし、「UQmobile」がかけ放題を「10分」にし、「iPhone7」をサポートし、「mineo」が昼12時台でも10Mbps超を出し…と、今後も様々な競争が見られそうです。
通信速度やVoLte通話などの基本性能を維持しつつ、次はどんな手を打ってくるのか楽しみでなりません。
これはユーザーにとっては非常によい事で、各社の競争の結果としてのサービスの向上や、料金の低価格化などの恩恵が生じると思いますので、今後も3社から目が離せませんね(*^▽^*) また、不利な立場(?)にいながらも、ユーザーの高い満足度や評価を得ている「mineo」も、両社に負けず劣らずのオススメ事業者であり、通信速度に関しては「プレミアムコース」といった独自の対応策で乗り切ろうとするなど、ワタクシとしてはこの3社の今後の展開に大いに期待しているところです。
ワタクシ個人としては、「UQ」が持っている「WiMAX」を絡めた新しいサービスを何か考えて頂きたいなあ…と思うのですけれど…。
コメント