お勧めしないMVNO「FREETEL」が措置命令を食らった訳とは?
格安SIM/スマホ関連会社への「措置命令」は初だそうです。。。
出された「措置命令」は、消費者庁WEBで確認できます(PDFファイルです)。
⇒http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170421_0001.pdf
お勧めしない理由は
当ブログが唯一お勧めしないMVNOとして名前を挙げている「FREETEL」ですが、そもそも何故お勧めしないのか…という事からお話しします。
理由は大きく2つあります。
■スピードテスト・ブーストの疑い
当ブログでもよく利用していますが、スマホの通信速度計測には計測アプリを使用します。
計測アプリで計測した数値が大きければ速く、小さければ遅い事になるのですが、「FREETEL」に対して疑問を持ったのは、ワタクシが契約後に使い始めてスグのことでした。
自分でアプリで計測したデータや、計測サイトさんのデータを見ても、どうにも体感速度と一致しない…というのが疑念の最初でした。
例えば昼12時台でも、アプリで計測すると十分高速通信ができている数値が出るのに、実際にはWEBの表示が遅くイライラする…等で、数値と体感の不一致から「これって本当にこんなスピード出てるかなあ」という疑問を持ち始めたんです。
その後、某計測サイトさんで、画像ダウンロードなどアプリに頼らない速度計測を行った結果、アプリの数値と実際の速度に乖離があることが判明し、アプリ使用時のみ速度を誤魔化している可能性がある…と言う事が報告されるに及んで、「ああ、やっぱり体感の方が正しかったんだ」と妙に納得した記憶があります。
この事は昨年中盤から何か月も各所で言われ続けてきたのに、「FREETEL」は今現在でもアプリの数値と、画像DLによる実測値の差を埋めようとはしていないようです。
■不誠実な対応
こちらはワタクシが体験した「FREETEL」の対応の不誠実さを感じた事象です。
ある時の月替わり(月末最終日~月初に切り替わる)のタイミングで、全く利用していない(というか低速モードにしていた)状態で月が替わったにも関わらず、パケットを使用しているという「使用量」が表示されていたんです。
低速モードは高速通信容量にカウントしないはずですから、1バイトだって「使用している」というデータはおかしいはずですので、サポートに対して問合せのメールを投げました。
その回答がとんでもないもので、これ以降、ワタクシはこの会社を全く信用できなくなりました。
曰く、使用量表示に関する不具合は承知しているが、請求には含まれないので問題ない…というものでした。
まずは、不具合を把握していながら公に情報開示せず、不具合の修正見込み等についても全く言及がない事に驚きました。
さらに、請求には含めないから問題ないだろう…という姿勢にも呆れました。
自社が提供している仕組みに不具合が起こっていて、それを把握しているにも関わらず情報開示をせず、問い合わせた者には請求には入れないから問題ない…とうそぶく、この厚顔無恥な姿勢やユーザーを馬鹿にした態度に、一遍にこの会社が嫌いになると同時に、信用も皆無となった次第です。
他にも細かい事は色々あったのですが、一刻もこんな不誠実な事業者を利用しているのが嫌で、契約から僅かに6か月目で高い違約金(FREETELの場合は手数料という名目)を支払って現在の「UQmobile」に乗換えました。
⇒経緯・詳細はこちら:『FREETEL MNP転出(解約)』
それ以来、ずっと「FREETELだけはお勧めしません」と言い続けてきたって訳です^^;
業界最速って本当?
「措置命令」の1つ目は、スピテス・ブースト等でも何かと問題になっている「通信速度」に関する事です。
当ブログでは「FREETELだけはお勧めできない」と再三繰り返してきていますが、その根拠の1つは「スピードテスト・ブースト(測定アプリ使用時のみ高速が出るようにする事)」の疑いであり、そうしたユーザーを裏切るような行為をする事業者だけはお勧めできない…としてきましたが、ここへ来て、ついに公的機関から「表記を是正すべき」との判断が下されたことになります。

※消費者庁NEWS Releaseの資料より
少しでも格安SIM/MVNOに関心があって情報を集めた方なら誰でも知っている事ですが、FREETELの通信速度が業界最速だなんて聞いた事ありませんよね^^:;
もちろん、FREETELがそういう背景にはそれなりの「業界」の理屈があっての事だと思いますが、消費者庁は、提出された資料を吟味した上でも、一般的に考える「業界」では最速だとは認められないという結論を出した訳です。
比較に出された「O社」「I社」ってどこですかね?^^;
単純に頭文字から判断すれば、LINEモバイルのMVNEになっている「O** **one」と、業界のリーダー的存在である「I** m**」ですかね^^;
もしそうだとすると、確かに両社とも数値に現れる速度は大した事はないですが、だからと言って、「FREETEL」がドコモ本家に迫る速度を出せているか…と言えば、「アプリ計測の上では出ているよね?」と思ってしまうのはワタクシだけでしょうか(笑)。
シェアNo.1って本当?
またFREETELは、こうも表記しています。

※消費者庁NEWS Releaseの資料より
「業界最速の通信速度だからシェアNo.1」だと…。
シェアとは「(市場)占有率」ですね。
つまり、ある市場(この場合は格安SIMなのか、MVNOなのかですかね?)の中で、FREETELが最も回線契約数が多い、利用者数が多い、あるいは、売上が多い、利用されているパケット量が多い…等々、何らかの括りでNo.1でした…と言っている訳ですね。
まあ普通シェアと言えば、契約回線数か、利用者数か…だと思いますが、いずれもそんな事はないですよね。
こちらの表記についても、消費者庁は事実無根として妥当な表記とは認めませんでした。
SNS通信料が無料って本当?
LINEをはじめとするSNSに使用する通信量が無料になる…と明記しています。

でもこれって、LINEモバイルが実施している「カウントフリー」とは根本的に異なるもので、ワタクシも過去に記事にした事がありました。
⇒『LINEモバイルのカウントフリーは常時高速通信~FREETELと比較』
今回の消費者庁の指摘は、SNSが常に高速通信で利用できない事ではなく、SNSに掛かる全ての料金が無料になるかのように表記しているが、実際に無料になるのは一部機能でしかなく、同じトークでも画像や動画を送れば有料で、その事に関する説明は別ページに飛ばないと確認できないのはおかしい…という主旨です。
つまり、SNS通信料が全て無料ではなく、有料対象もあるのに、それをユーザーに分かりやすく見せていないのはダメですよ…って事ですね。
ユーザーを偽る不誠実さ
「スピードテスト・ブースト」もそうですし、「業界最速」も、「シェアNo.1」も、「SNS通信料無料」もそうですが、全て、ユーザーに対して自社を実際よりも良く見せて契約を取ろう…とする「ユーザーフレンドリー」の対局にあるような自己本位の姿勢に感じます。
ワタクシが経験した機能不具合やサポート対応もそういう意味では同じで、モノの考え方の基本がユーザーサイドにはなくて、全て自社の利益中心なんだな…という風に感じます。
他社MVNOも含め、営利企業である限り利益追求は当然の事ですが、利益を得るための道筋として、不誠実さや悪どさを感じさせてしまうのは、よい方法なんですかねぇ?
■スマートコミコミ+の問題
実は、他にも同じように感じる事がごく最近問題になっています。
FREETELが開始した「スマートコミコミ+」がTwitterなどで炎上中です^^;
このプランの最大の特徴は、毎年端末を交換できるという事ですが、そもそもの端末価格が異常に割高な設定である事や、割賦期間が3年であるため、端末を1年で交換する事は可能でも、そこからまた新たな3年契約が始まるため、実質3年縛りなのと一緒だ…等々、かなりユーザーの不満がぶつけられています。
例えば、「ZENFONE3」を「スマートコミコミ+」で購入すると、ごくごく小さな文字で
「月々のお支払いは、2,000円(税込 2,160円)となり、総額72,000円(税込 77,760円)となります。
(お支払い回数:36回/お支払い期間:37ヶ月/金利・手数料:0%・0円)」
と書かれており、総額72,000円だという事がわかります。
他社取り扱いの「ZENFONE3」の価格は、
- IIJ…39,600円(24回)
- mineo…39,600円(24回)
- UQmobile…36,000円(24回)
- NUROモバイル…36,000円(24回)
24回割賦の場合で、いずれも3万円台半ばの価格設定となっている事と比べると、FREETELの価格設定が如何にベラボウかという事がわかります。
想像するに、「スマートコミコミ+」で購入する場合には、1年目で端末交換をするだろうから、最初の1年だけ安くすればいいんだろう…的な事なのかもしれませんが、それでも月額2,000は割高ですし、交換時の条件として新たな3年割賦が義務付けられている事から実質的な「3年縛り」だと言えます。
さらに、この毎回繰り返す「3年縛り」を断ち切りたければ、残債の50%で買い取る事になるので、そもそもの価格設定がおかしい(3 万半ばの端末が7万超!)事も勘案すると、かなり悪質だな…と感じてしまいます。
ここまでワタクシが書いた事はFREETELのWEBを読んで理解した事ですので、ごく一般的なユーザーがFREETELに興味があってWEBを見て契約するのと同等の理解…と言う事ができると思いますが、もし記載内容に間違いや勘違いがあれば、それはそう思わせる言い換えや誤魔化しがあったものと思います(ワタクシがお馬鹿さんで理解できなかった…という想定はしないでおきます~笑)。
なにせ、小さく薄い文字で分かりずらい注釈が色々あって、WEBの表記自体を見ても、決してユーザーに良心的な姿勢を持った事業者という印象はありません。
逆に、自社に有利に誤解してくれて契約してくれたらラッキー的な意図まで見えるような気がするのは、不信感を持つワタクシだけなんでしょうか…。
今回は、消費者庁から「措置命令」を食らったFREETELについて書いてみました。
正直、「措置命令」を食らった事に対して、ワタクシは意外には感じませんでした^^;
これまでも不誠実さや、表記の曖昧さ・有利な言い換えなどを感じていましたので、ついに来ちゃったか…という印象です。
これまでも決してお勧めできるMVNOではありませんでしたが、それはあくまでワタクシ個人の体験に基づく「意見」でしかなかった訳ですが、「措置命令」を食らったとなると、公的機関が表記が正しくない…と認定してしまった事になる訳で、この辺でそろそろ本当にユーザーのためのサービスにシフトしてみてはどうなのかな…と思います。
ワタクシも当ブログで、通話付きでも1年で乗り換えられるのがMVNOのよい処だ…と書いていますし、実際に次々に乗換えるユーザーも少なくなく、そういう意味では囲い込みをしたくなる気持ちも分からなくありませんが、それでは大手キャリアと同じで、わざわざFREETELを選ぶ必要がありません(と言うか大手キャリアの方が全然マシ^^;)。
片や、ユーザフレンドリーだとユーザーに愛されるMVNOがあって、おそらく定着率も良いのではないのかな…と想像できますが、FREETELも様々な仕組みや規制の「縄」で縛るより、放し飼いでも羊が自分の意志でそこにいる…そんな事業を目指して欲しいと思います。
契約申込で、勝手に「音楽サービス」の申込みに自動的にチェックが入るようなセコい事、やめる事から始めては如何だろう…と思います。
より良いスマホライフを!
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