J:COM MOBILE~au回線MVNOのもう1つの選択肢になり得るか?
最近、よくWEB広告を見かけるようになった「J:COM MOBILE」ですが、どんなサービスやプランを提供しているのかチェックしてみました。au回線使用のMVNOとして、UQmobile/mineo/IIJmioに続く第4の選択肢になり得るのでしょうか。
J:COM自体は、TVCMでもよく見かけますし、ZAQ(ざっくぅ)はなかなかの人気キャラです。
J:COM mobileは、J:COMが運営するモバイル通信会社で、UQmobileと同じKDDIグループの一員です。
前日のauの定時株主総会でも、au網を構成するMVNOの1つとして紹介されていました。
となれば、俄然、興味が湧いてきますが、今回はそんなJ:COMmobileについて、UQmobileとの比較を中心に、プランやサービス内容等をチェックしてみたいと思います。
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J:COMmobileはマルチキャリア
1つの通信会社で、複数の異なる回線を取り扱う事をマルチキャリアと言いますが、J:COMmobileは、ドコモ回線/au回線を扱うマルチキャリアです。
ただ、mineo/IIJmioのようにプランやサービス内容がほぼ同等で、いずれかをユーザーが自由に選択できる訳ではなく、ドコモ回線はSIM単体での契約となり、スマホをセット購入する事はできず、au回線は逆にスマホセットでしか契約できず、SIM単体での契約ができません。
au回線で利用しようと思うと、必ずスマホセットでの契約となりますので、手持ちの端末を使いたい場合や、J:COMにない端末を別途購入したい場合には、端末が重複してしまうケースがあるのが難点です。
また、J:COMで購入できる端末は非常に種類が少なく、最新鋭高性能モデルの取り扱いがない事もネックになるかもしれません。
ドコモ回線での契約の場合には、au回線とは逆に、端末を自ら用意する必要があります。
いずれの回線でも、ユーザー個々の事情によっては、使いずらいと感じるケースがあるかもしれませんが、逆にうまくハマるとすんなり契約できるのかもしれません^^;
筆者の評価:-10pt
以降は、au回線に絞ってチェックしてゆきます。
プラン料金・その他費用等
■初期費用
まずは初期費用を見てみましょう。
「契約事務手数料」は、なんと4,500円(税別)です^^;
いきなり契約する気が失せるような情報ですが、残念ながらエントリーパッケージ等も販売されていませんので、J:COMmobileとの契約には、まず最初に4,500円が必要となります。
同じau回線MVNOで比べても、UQmobile/IIJmio/mineoはいずれも契約事務手数料3,000円の上、エントリーパッケージ等も広く出回っていますので、実質的な金額差は3,000~4,000円程にもなろうかと思います。
「SIM発行手数料」はかかりません。
筆者の評価:-10pt
■料金プラン
前述の通り、J:COMmobileのau回線のプランはスマホとのセット契約が必須となります。
現時点(2017/06/25)で選択できる端末は4種類です(少ないですね^^;)
4機種のうち1台は、いわゆるガラホで、ケータイのような2つ折り端末です。
スマホらしいスマホとしては、Androidが2機種と、整備中古のiPhone6sをラインナップしています(端末については後述)。
料金プランは同じKDDIグループという事で、「2年契約」等の点でUQに似ている感じがしますが、データ容量の区分けはUQよりも細かくて使いやすいかもしれません。
スマホプランは、回線は2年契約で、併せてセット端末を24回分割か一括払いで購入するパターンです。
最少プランは「0.5GB」からとなっており、その上に、3GB(2,980円)/5GB(3,980円)/7GB(4,980円)/10GB(5,980円)の全5プランが用意されています。
2GB/6GB/14GB(増量含む)の3プランのUQと比べると、若干きめ細かいようです。
J:COMにはデータ増量はありませんが、UQmobileの「イチキュッパ割」に相当する「スタート割」が適用され、初年のみ1,000円割引となります。
UQではデータ増量された「2GB」を初年1,980円/翌年2,980円で利用できますが、J:COMでは増量なしで1GB多い「3GB」を同料金で使える事になります。
また2年後の契約更新後には、UQはデータ増量が無くなり1GB/2,980円になりますが、J:COMでは元々データ増量していない分、「3GB」のまま月額2,980円で使える事になります。
UQでは2年契約更新後に1GBでは足りない…となると、上位プランの「M」プラン(3GB/3,980円)がを契約せざるを得ませんが、J:COMであれば、契約時のままのプラン「3GB/2,980円」のままで大丈夫です。
データ増量はありませんが、各プランの実質的な料金はJ:COMの方が若干安い設定になっているようです。
筆者の評価:+10pt
セット端末
J:COMmobileのセット購入可能な端末は、2017年6月27日現在で、4機種です。
Androidスマホが2機種、いわゆるガラホが1機種、そしてApple整備品(中古)のiPhone6sです。
■Androidスマホ
Androidスマホ2機種のうち「LG X screen」は、2016年10月の発売で、モデルとしては最新とは言えなくなってきていますが、もう1機種の「Aquos L2」は、2017年6月の発売の最新機種だと言えます。
チョイスするとすれば「Aquos L2」だと思いますが、この機種はドコモ回線向けの「AQUOS SH-M04」のau版「Aquos L」の進化版で、「L」同様にau回線向けの端末となっています。
機能・性能的には、「防水・防塵」以外では特別な部分はなく、標準的(RAM2G)で誰でも違和感なく使う事ができる汎用モデルではないかと思います。
「LG X screen」「Aquos L2」共に端末価格は33,000円で、24回分割の場合は月額1,350円の支払いとなり、3GBプランで契約した場合の毎月の固定支払額は、初年3,355円/翌年4,355円となります。
同じ機種をUQmobileで分割購入する場合には、端末代金はサポートにより相殺され初回の108円のみで月々の支払額は0円、プラン料金と合わせ初年1,980円/翌年2,980円となります(トータルの端末代金は108円)。
33,000円を支払うJ:COMmobileは、端末に関してはかなり割高である事がわかります。
筆者の評価:-15pt
■ガラホ
「LG Wine Smart」は、ガラケー時代の定番~二つ折りタイプの端末で、見た目はガラケーですがAndroidOSを搭載したレッキとしたスマホで、スマホに慣れない年配者狙いの端末…といった立ち位置です。
WEBの説明からして年配者の利用を想定していますが、案外、現役世代が持ってもシブいかもしれませんね(≧▽≦)
価格は、一括12,000/分割500円となっています。
組合わせる料金プランは同じです。
筆者の評価:判断保留^^;
■iPhone6s CPO
CPOとは、Appleが整備した新品同様の中古品の事で、言ってみれば「Apple認定中古」という感じでしょうか。
Appleオンラインショップでは、iPhoeのCPOは殆ど見かけませんが、こういう処へ流れちゃうんですね^^;
J:COMのCPOは、カラーは3色から選べますが、メモリ容量はカラーごとに固定です。
・ローズゴールド 64GB
・シルバー/ゴールド 128GB
価格は、64GBモデルが72,000円(分割3,000円/月)、128GBモデルが76,800円(3,200/月)ですが、現在のApplepンラインのiPhone6sの価格は128GBモデルで72,800円となっており、J:COMのCPO端末より安いプライスタグが付けられているので、あまりお得とは言えないかもしれません。
UQでは「iPhoneSE」を販売していますが、その価格はかなりディスカウントになっていてお得ですので、価格的にはUQの方がかなりお得だと言えます。
ただSEは4インチ、6Sは4.7インチ液晶なので、画面が大きい方が良い…という方にとっては6Sに軍配があがりそうですが、そうであれば、Appleオンラインで128GBモデルを購入すべきなので、J:COMの「6sCPO」には軍配は上がらないと思います。
また、UQのSEはSIMロックが施されていますが、CPO品であるJ:COMの6SはSIMフリー機ですが、その点でもApplepンラインでの購入であればSIMフリーの上にお得…と言う事で、あえてJ:COMでCPOを購入するメリットは希薄ではないかと思います。
筆者の評価:-10pt
オプション等
■5分かけ放題
通話オプションとして「5分かけ放題」が月額850円で提供されています。
前述のプランの項で、同金額で1GB多く使える、2年更新後には同容量で月額1,000円安く使える…と書きましたが、「かけ放題」オプションを含めて考えると少し事情が変わってきます。
UQの場合には、「おしゃべりプラン」料金の中に「5分かけ放題」も含まれていますが、J:COMの場合は別途料金なので、プラン料金に上乗せとなります。
「5分かけ放題」を利用する場合には、前述プラン項のメリットは相殺されてしまうので注意が必要です。
筆者の評価:-10pt
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■カウントフリー
J:COMの関連サービスのみに、通信を料金カウントしない「カウントフリー」が設定されています。
「スマホセット」でJ:COMmobileと契約し、「J:COM TV」も契約、「J:COMオンデマンドアプリ」での視聴が条件となっています。
最も安いコースでも月額4,000円超と、動画配信サービスとしては少々割高感がありかもしれません。
月額500円の「d-TV」をはじめ、「U-NEXT」「hulu」「Netflix」など概ね2,000円以内で動画・映画を楽しめますので、カウントフリーで減らなかったデータ容量分の料金ではペイできない料金差があるように思います。
筆者の評価:-10pt
■キャッシュバック
他社からのMNP転入に限り、10,000円のキャッシュバックを受ける事ができます。
これには特に妙な条件は付いておらず、MNP転入であればキャッシュバックを受けられるようです。
更新月以外でのMNPの場合などの違約金に充当したり、割高な契約事務手数料をペイできる等のメリットとなります。
しかし、MNP転出元がau、あるいはau回線MVNOの場合には対象外となります。
筆者の評価:+5pt
■端末実質無料
「J:COM NET(インターネット接続)」または「J:COM TV(動画サービス)」を利用している場合には、セット購入のAndroid端末代金が無料となります(iPhone6sCPOは対象外)。
月額1350円が無料になり、2年間で33,000円が無料になりますが、「J:COM NET(インターネット接続)」または「J:COM TV(動画サービス)」の料金支払いが発生するので、新たにサービス加入してまで利用するのは果たしてお得かどうか…^^;
すでにいずれかのサービスを利用しているJ:COMユーザーがスマホも…と考えるとお得なのかもしれません。
筆者の評価:±0
通信速度
SIMの基本性能というべき「通信速度」や「通信品質」に関してはどうでしょうか。
実は私がJ:COMmobileに興味を持ったのは、同じau回線を使うKDDIのグループ会社だから、きっと通信速度や品質も似たようなものだとすれば、2年後が見えないUQの「ぴったり/おしゃべりプラン」の逃げ場所としてどうなのか?だったんです。
つまり、UQが現状のままのルールで2年契約満了~更新月を迎えてしまった場合、一度他社へエスケープする必要があるわけですが、UQの通信速度や品質と、その料金を考えると逃げ場所は簡単には見つからないように思います。
現時点では、速度の点で格安SIMを選ぼうとすれば、Y!mobile/UQmobile/LINEモバイルしか見当たりませんが、同じau回線を使用している事を条件にするとIIJmio/mineoでは速度に若干の不安がある…と言う事で、では「J:COMmobile」はどうだろう…と考えた訳です。
しかし、上記の通り、契約事務手数料は高いわ、スマホセットでしか契約できないわ、2年契約だわ…と、私が試してみて速度計測するにはあまりにハードルが高すぎます(≧▽≦)
しかもセット端末は、UQで買えば実質支払額108円で済む事も考えれば、さらにハードルは上がってしまいます。
そんな訳で、「J:COMmobile」の実測レポートは掲載する事ができません^^;
ただ、Twitterを参考にすると、悪い評価は1件見つかっただけで他にはなかったものの、逆に良い事例報告は1件もなかったので、あまり使っている方がいないのかな…という感じもします。
もし、実際に「J:COMmobile」をお使いの方がご覧でしたら、実測値など教えて頂けると嬉しいですm(_ _)m
いずれにしても、速度に関しては現時点では良し悪しを論ずる段階にない…という事でお茶を濁します^^;
筆者の評価:±0
J:COMmobileまとめ
私の評価を合計すると、マイナス評価になってしまいます(あくまで主観ですが)。
WEBを読込んでゆくと、新たに外部から契約するよりは、J:COMの他サービスを利用している方が、スマホもJ:COMにしよう…というカタチでの利用が向いているのかな…と思いました。
料金プランで多少魅力は見せるものの、全体的な割高感や、セット端末の少なさなどで現状ではあまりお勧めできるMVNOではないのかな…という印象でした。
同じKDDIグループにあって、UQmobileとの違いを出さなければならないのだと思いますが、ユーザー側から見ると、UQもJ:COMの比較検討MVNOになりますので、UQばかりを意識したようなサービス内容では、選びにくいのかなと感じました。
端末の豊富さ、通話定額が2種類あってプラン変更できる事、通話定額がプラン料金込みである事、SIMのみの契約が可能(J:COMもドコモ回線なら可能)な事などで、逆にUQmobileの良さを目立たせてしまったかもしれません^^;
今回は「J:COMmobile」について調べてみました。
他社MVNOを同列で比較検討はできないのかもしれない…と感じました。
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