au/Softbank回線格安SIM/MVNOのスピードテスト 2017年9月20日版
毎月恒例、手持ちの格安SIM/MVNOのスピードテストです。Y!mobile(S)/UQmobile(A)/U-mobileS(S)/LINEモバイル(D)/IIJmio(A)/mineo(A)/U-mobile(D)/QTmobole(A)の7社8SIMです。内訳はSoftbank回線:2、au回線:4、ドコモ回線:2です。
毎月、月初に行っているスピードテストですが、今回は夏休みの影響がなくなるタイミングで…と思っていたら、連休があり、こんな時期になってしまいました^^;
とは言え、ほぼ1カ月おきのペースで…と思っているだけで、月初でなければいけない理由はないのですけれど(笑)。
今回計測したSIMは以下の通りです。
- Softbank回線
・Y!mobile/U-mobileS
- au回線
・UQmobile/mineo(A)/IIJmio(A)/QTモバイル(A)
- ドコモ回線
・U-mobile/LINEモバイル
ただし、ドコモ回線に関しては私の作業場の電波が悪く、圏外かアンテナ立っても1本という場所で、3~4本になる廊下へ出て計測していますので、参考値として頂いた方がよいかもしれません。
感度的に言えば、最も良いのはSoftbankでアンテナ全開です。次いでauですが、4~5本程度と十分な感度です。
なお、今回は都合により「NUROmobile」は計測対象から外しました。またLINEモバイルは所々計測ができませんでしたのでご了承ください。
===目 次===
1.テスト方法
2.2017/09/19 12時台
3.2017/09/19 18時台
4.2017/09/19 20時台
5.2017/09/20 12時台
6.2017/9月速度計測まとめ
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スピードテストのテスト方法
前回までは端末の条件を揃えるために、iPhone6s/iPhone7の2台に各社SIMを差換え、その都度プロファイルをインストールしながらのテストでしたが、最初に計測したSIMと、最後のSIMまでの時間経過が1時間を超えてしまうケースがありました。
例えば最混雑時間帯である「昼12時」という括りでありながら、実際には11時台に近い12時台と、13時台に近い12時台という時間的な差異が生じてしまっていましたので、今回は、時間的な条件を揃えるため、普段使っている端末そのままで、できるだけ同時に計測する事としました。
使用した端末は、iPhone7/6s/5s、ZENFONE3Laser/Huawei Y6などバラバラですが、個々の機種が能力を発揮できる以上の速度にはならないはずですので、今回は、機種は問わずでテストしました。
実際には、同一端末で、同時刻でのテストが良いのでしょうけれど、個人レベルではなかなか両方揃えるのは難しいです^^;
なお、今回のテストに使用したアプリは、前回までの「4Gmark」ではなく、「Ookla SpeedTest」を使用しました。
異常な数値が出た場合は計測し直しますが、再テストでも近い数値が出た場合には、最初の計測値を掲載しています。
計測は4回、9月19日の「12時台」「18時台」「20時台」、明けて9月20日の「12時台」です。
最後に4回の計測の平均値を出して、総合的に評価しています。
2017年09月19日 12時台の計測値
計測値を一覧表にしてみます。
\ | 回線 | PING | Down | Up |
Y!mobile | SB | 34 | 47.85 | 10.91 |
U-mobileS | SB | 37 | 67.98 | 11.05 |
UQMobile | au | 26 | 31.52 | 3.14 |
QTmobile | au | 79 | 1.51 | 4.54 |
mineo | au | 78 | 3.45 | 5.00 |
IIJmio | au | 93 | 1.29 | 4.67 |






この時間帯は、平日の昼休み時で通信が一気に集中し、格安SIMにとって速度低下を起こしやすい苦しい時間帯です。
この時間帯で、最速値を叩き出したのは下り/上りとも「U-mobileS」でした。
日本通信提供のSoftbank-SIMは、まだユーザー数が少ないと見られ、通信速度的には非常に優秀な計測値になりました。
次いで、「Y!mobile」、さらに「UQmobile」と続き、この3社3SIMのみが「2ケタ」速度を出していました。
反応の素早さに現れると言われるPING値は、UQmobileが最優秀でした。
上記3社に比べ、他のau回線SIMの速度は1ケタ違います。
mineoの昼12時台でも「3.45Mbps」という数字はなかなか頑張っていると言えますし、他の2社も最低限の1Mbpsを上回ってきたのは、ちょっと予想外でした。
一方、上り速度を見てみると、UQmobileが最遅でした。
上り速度が芳しくないのはau回線自体の仕様上の問題ですが、同じau回線を使う他社が4Mbps超であるのに、UQだけが3Mbps前半と揮いませんでした。
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2017年09月19日 18時台の計測値
\ | 回線 | PING | Down | Up |
Y!mobile | SB | 21 | 69.79 | 8.28 |
U-mobileS | SB | 49 | 53.81 | 5.56 |
UQMobile | au | 32 | 35.52 | 3.53 |
QTmobile | au | 88 | 1.19 | 2.27 |
mineo | au | 74 | 4.12 | 4.91 |
IIJmio | au | 78 | 2.97 | 3.99 |
LINEmobile | Do | 72 | 2.69 | 0.61 |
U-mobile | Do | 68 | 10.50 | 2.48 |








この時間帯から、ドコモ回線の「LINEモバイル」と「U-mobile」も加えて計測しました。
最速はPING/下り/上りとも、Y!mobileが最優秀で、さすがキャリアのサブブランドといった印象です。
この時間帯も、速い3社とそれ以外という構図は12時台と同じでしたが、全てのSIMが予想以上の「1Mbps超」を出していたので驚きました。
各社、回線増強のタイミングだったのかもしれませんが、最も遅いQTmobileでも1Mbps超でしたので、最低限の実用性は確保できていました。
特に、mineoは12時台も3Mbps超で、18時台も4Mbps超と、一時の速度低下から脱出した感があります。
また、ドコモ回線の「U-mobile」も好調で、10Mbps超を出していたのは立派だと思います。
この結果にはちょっと怪しんで、再計測を数回行いましたが、それに近い数値や1回はさらに超える数値が出ていたので、最初の計測値を一覧に載せました。
2017年09月19日 20時台の計測値
\ | 回線 | PING | Down | Up |
Y!mobile | SB | 33 | 53.39 | 5.20 |
U-mobileS | SB | 45 | 33.92 | 9.03 |
UQMobile | au | 29 | 28.96 | 6.85 |
QTmobile | au | 70 | 2.84 | 3.38 |
mineo | au | 44 | 18.33 | 4.66 |
IIJmio | au | 112 | 1.79 | 3.55 |
LINEmobile | Do | 66 | 4.20 | 0.94 |
U-mobile | Do | 75 | 7.57 | 1.72 |








この時間帯は動画を視聴するユーザーも多くなる等、通信の集中はピークになる時間帯ですが、3強は相変わらずの快速…というパターンは変わらないものの、mineoやU-mobileが好成績を収めて驚きました。
スムーズな動画再生には5Mbps程度あれば十分とすると、3強は言うに及ばず、mineoは余裕、U-mobileも問題なし、LINEモバイルも大きな支障なく動画再生が可能ではないかな…と思います。
最も遅かったIIJmioでさえ1Mbpsは超えていますので、動画は多少苦しいもののWEB閲覧程度であれば支障なく利用できるはずです。
それにしても、どの時間帯もなぜこんなに好成績なんでしょうか(笑)。
2017年09月20日 12時台の計測値
\ | 回線 | PING | Down | Up |
Y!mobile | SB | 35 | 42.91 | 11.49 |
U-mobileS | SB | 27 | 56.79 | 8.30 |
UQMobile | au | 37 | 40.53 | 1.69 |
QTmobile | au | 92 | 0.40 | 2.51 |
mineo | au | 129 | 0.53 | 3.30 |
IIJmio | au | 84 | 1.29 | 3.64 |
LINEmobile | DO | 63 | 1.05 | 14.07 |
U-mobile | DO | 36 | 0.61 | 2.65 |








翌日の昼12時台も検証してみました。
3強は相変わらずの快速ぶりを遺憾なく発揮しており、PING値と下り速度では「U-mobileS」が、上り速度では「Y!mobile」がベストスコアをマークしていました。
その一方、他の5SIMは辛うじて1Mbpsを超えたものが2枚、1Mbpsを下回ったものが3枚で、明暗くっきりといった様相です。
1Mbps超とは言っても、数値の上で実用的な速度の最低ライン1Mbpsをギリギリ超えただけの事ですので、快適に利用するにはもう少し余裕が欲しいところです。
同時間帯で計測したSIMは前日より若干数値が悪化した印象で、やはり9/19は全体的に通信が好調な日だったのかもしれません。
2017/9月速度計測まとめ
以下の表は、4回(一部3回)の平均値です。
\ | 回線 | PING | Down | Up |
Y!mobile | SB | 35.75 | 53.49 | 8.97 |
U-mobileS | SB | 39.5 | 53.13 | 8.49 |
UQMobile | au | 31.0 | 34.13 | 3.80 |
mineo | au | 81.25 | 6.61 | 4.47 |
U-mobile | DO | 59.67 | 6.23 | 2.28 |
LINEmobile | DO | 67.0 | 2.65 | 5.21 |
IIJmio | au | 91.75 | 1.84 | 3.96 |
QTmobile | au | 82.25 | 1.49 | 3.18 |
■1位:Y!mobile
やはりと言うか、順当な処でしょう。唯一のキャリア(サブブランド)ですので、1位で当然と言うべきでしょう。
反応も早く、下りも上りも快適そのもので、何ら不安がありません。
問題は、通信速度や品質ではなく、2年縛りのみのプラン構成や、セット端末に人気機種が少ない事、低速モードがない事など、サービス面でチョイスしにくい部分があるかもしれません。
参考記事:Y!mobile~2年契約更新後もデータ増量を無料で継続!(無料条件あり)
■2位:U-mobileS
日本通信から供給されるSoftbank回線SIMです。
2017年春にサービスインしたものの、通話可能なSIMが発売されたのは8月になってから(b-mobileSスマホ電話SIM)なので、まだまだユーザー数が少ないためと思われますが、非常に良い数値を残しています。
時間帯によっては、Y!mobileの計測値を上回るケースもあり、非常に使い勝手のよい状態が続いています。
新たに登場した通話SIMも、かけ放題や従量制課金制をセットするなど、サブブランドを強く意識した意欲的なプラン内容です。
今後、ユーザー数の増加により速度低下を起こす可能性もありますが、今が「旬」と言えるSIMではないでしょうか。
参考記事:b-mobileSに通話SIM追加!「スマホ電話SIM」8/16デビュー!
■3位:UQmobile
au回線MVNOで、au同様にKDDIグループ属し、auからの格安SIMへの乗換えユーザーの受け皿として抜群の知名度を誇るMVNOです。
毎日、大量のTVCMを流しユーザー数も増加しているにも関わらず、高速通信を維持しているのは立派です。
プラン内容などはY!mobileにソックリですが、無料通話パックとのセットプランや、低速モード、トライアルなど、Y!mobileにはないサービスを提供しており、抜群の通信品質・速度と、使い勝手の良いプラン・サービス展開で人気急上昇中のMVNOです。
一時より、若干速度が落ち着いてきているような印象がありますが、もしかすると、他社au回線MVNOからの不公平クレームをかわすために、あまり速度を上げ過ぎないようにしている…何てこともあるのかもしれませんね(笑)。
最近発表された某社のMVNOのシェアランキング調査では、全体の5位に食い込むユーザー数に増えてきていますし、通話可能な音声プランでは、楽天・mineoに次ぐ第3位のシェアを持つまでにユーザーを増やしてきており、今後の伸長も期待できそうです。
同じ調査会社の別の調査結果では、ユーザー満足度で総合1位に輝くなど、最近のUQは非常に上質なサービスを提供していると思います。
さらに、待望の機種変更に対応したと思ったら、今度は2機種目のiPhoneとして「iPhone6s」の発売を発表する等、破竹の勢い…といった感じです。
参考記事:UQmobile~ぴったりプランの2年後を妄想してみる(2017/08改訂版)
参考記事:UQmobile~iPhone6s発売~4.7インチiPhoneも激安価格!
■その他MVNO
その他のMVNOでは、mineoとU-mobile(ドコモ)に速度回復が見られました。
mineoは、特に夕方~夜間の速度回復が顕著に感じました。夕方一旦4Mbps程度になっても、20時過ぎには10Mbpsを超える等、夜間の速度としてはかなり優秀な数値を計測していました。
前述のシェアランキング調査でも、全体の2位、iPhoneユーザーでは1位のシェアを獲得しているmineoですが、こうした速度面での改善でさらに人気が集まるかもしれません(ただしそれは速度低下に繋がる可能性もありますが)。
参考記事:mineoの通話SIMが410円/月で使える激安キャンペーン実施中!
U-mobileは、以前担当者さんが、大量のトラフィックを集中されるような使い方の制限を強化している…と仰っていましたが、各ユーザーが公平に通信を利用できる事に力を入れた結果、徐々に速度回復をみせているのかもしれません。
悪い言い方をすれば、遅いSIMの代表のように言われた時期もありましたが、地味ながら十分に実用的なSIMに育ってきているのかもしれません。
プラン的にも、1GBを境に2WAY料金のダブルフィックスや、25GBの大容量をリーズナブル(1GB当り100円未満)に使えるMAXなど、特徴があるMVNOです。
参考記事:U-mobileMAX 20~30GB大容量プランのベスト・コスパはこれだ!
逆に残念だったのは、LINEモバイルとIIJmioでした。
以前はドコモ回線MVNO最速と紹介していたLINEモバイルですが、もはや速いSIMではなくなってしまったようですが、要所要所で実用的な速度を出しているのはさすがです。
それでも、もう少し速度出ないかなあ~というのが正直な感想です。
一番意外だったのは、IIJの計測値でした。
体感的にはもう少し速度が出ているのでは?と思っていましたが、実際に計測してみると、かなり速度が低下している様子でした。
逆に数値には出ない使いやすさ…と言う事なのかもしれませんが、前述のシェアランキング調査の通話SIM部門でUQに3位の座を奪われてしまったとは言え、常に人気上位のMVNOですのでもう少し頑張って頂きたいと思いました。
参考記事:サブブランド対抗(1)~IIJmio「コミコミセット」はお得か?
QTモバイルは、先日契約したばかりですが、もう少し期待していたのですが、あまり目立たない地味な数値ばかりでした。
通信速度が不安定なようで、体感的にも、WEB閲覧時にページ移動で空白時間があって「まだ?」と感じる場面が少なくありません。
参考記事:QTモバイル~データSIMを契約~通信速度や使い勝手をチェック
事前に分かっていた事ですが、サブブランド2社(Y!mobile/UQmobile)に、「U-mobileS」を加えた3社と、他のSIMとの速度格差の大きさを改めて認識する結果となりました。
3強の、朝夕の通勤通学時間帯/昼12時台/夜間のゴールデンタイムのいずれでも、30Mbps程度を確保できる通信品質は大きな魅力ですし、この速度を利用するためのコストは特段割高感はなく、ごく一般的な料金で利用できるのも魅力の1つです。
一方、1Mbps未満を連発していたMVNO数社が速度回復をしているようで、特にmineo/U-mobileはまだ遅い時間帯の速度を対策して頂ければ、サブブランドに十分対抗できる魅力的なMVNOになるかも…と期待できそうです。
今回は、手持ちの7社8SIMの通信速度(実行速度)を計測してみました。
今回のスピードテストで体感も含めたお勧めは、Y!mobile/UQmobile/U-mobileS(b-mobileS)/mineo/U-mobileといった処です。
もちろん、通信会社選びは通信速度ばかりではありませんが、遅いSIMにいくら良いプランや良い端末を組合わせても、あまり意味はないと思います。
やはり、基本性能である通信速度ありき…で検討すべきではないかと思います。
余談ですが、増えすぎたSIMを整理…という事で、9月末で「NUROmobile(D)」「U-mobile(D)」「QTモバイル(A)」の3SIMを解約しましたので、次回以降のテストにはデータが出ませんのでご了承ください。
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