Softbank回線MVNO通信速度対決!b-mobileS×NUROmobile(S)×QTmobile(S)
Softbank回線を使ったMVNOサービスが増えてきました。
すったもんだの結果、2017年3月に初の汎用Softbank回線MVNOサービスとして、iPhone専用のデータSIM「開幕SIM」(日本通信)が発売されてから約1年、非常にゆっくりとしたペースで、ようやく3社がサービス提供する状況になりました。
今回は、現在私のメイン回線として利用している「b-mobileS」に加えて、2017年12月19日登場の「NUROmobile Softbank回線(長いので以下、NUROmobileSと表記)」、2018年2月1日登場の「QTmobileタイプS(同様にQTmobileSと表記)」を比較してみたいと思います。
===目 次===
1.通信速度比較
2.NUROmobileSについて
3.QTmobileSについて
4.b-mobileSについて
5.LINEmobileについて
6.Softbank回線MVNO まとめ
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通信速度比較
まずは何と言っても通信速度です。
通信速度なら「UQmobile」を使っときゃ間違いない訳で、「b-mobileS」に乗り換える必要ないじゃん…と言われそうですが、確かに昨今のUQmobileはY!mobileをも凌いで、ダントツの通信速度と安定性を見せていて、当ブログでもお勧めNo.1は、今でも「UQmobile」です。
ただ、私の場合、消費するデータ容量が月によってバラツキがある事と、少なかった月の料金をもう少し安くしたいという事で「b-mobileS 990ジャストフィットSIM」に乗り換えた訳です。
しかも「990ジャストフィットSIM」の最低利用期間は5か月間なので、ダメなら半年でUQに戻ればいい…というセーフティゾーンも意識していた次第です。
b-mobileSは、各所の計測でもサブブランドに次ぐ速度域が定位置で、Y!mobileやUQmobileよりは若干遅めでも、十分に受け入れられる速度が確保できています。
「b-mobileS 990ジャストフィットSIM」の契約から2か月ほど経過した現時点の使い勝手や評価・満足度などは、また別記事に、詳しく書くとして、今回は、新たに登場したSoftbank回線MVNOのデータSIMを契約して、実測値の比較をしてみました(左からb-mobileS/NUROmobileS/QTmobileS)。
一見して、左の画像(b-mobileS)の数値と、右の2つの画像(NUROmobileS/QTmobileS)の計測値の速度域が違う事が分かりますが、一覧にしてみるとさらに違いが明確になります。
\ | b-mobileS | NUROmobileS | QTmobileS | |
下り | 平均 | 23.21Mbps | 6.19Mbps | 5.62Mbps |
昼12時台 | 22.37Mbps | 4.01Mbps | 5.66Mbps | |
上り | 平均 | 10.48Mbps | 6.01Mbps | 5.65Mbps |
昼12時台 | 11.19Mbps | 4.60Mbps | 5.93Mbps |
下り速度では、b-mobileSは8回計測の平均値が22Mbps超、昼12時台の4回の平均でも同じく22Mbps超で、昼12時台の速度低下があまり見られない数値になっています。
しかしこれはたまたまで、やはり実際に使っていると、昼12時台には速度低下が見られますし、夕方にも凹みのピークが出る事がありますので、その辺りはどんな時間帯でも常に高速なUQmobileと肩を並べるまでではありません。
NURO/QTは見事なまでに数値が似通っていますが、それもそのはず、実はQTmobileのMVNEは、NUROと同じSo-netなのです。
ここでは「So-net系」とまとめてお話ししますが、あえて速度を抑えているのかな?と思うほど、何回も計測しましたが、1度も10Mbps台に乗った事がありません。
どんな理由なのかは分かりませんし、そもそも速度を抑制しているかどうかも、私の感覚に過ぎませんが、実用上で言えば特に問題になるような低速という事ではありませんし、混雑時にも大きな低下を見せていないので、充分に実用速度を持ったSIMと言えそうです。
NUROmobileは、家内のAndroid端末(※)に刺して使って貰っていますが、動画視聴などでも時間を選ばず快適に利用できている…との報告を得ています。
一応、「iPhone専用」と謳っていて、何か支障が生じても自己責任ではありますが、APNを設定すればAndroidでも使えています。ただしデータ専用SIMでの利用なので、音声通話も使えるかどうかは分かりませんので念のため。
上り速度も、b-mobileSの10Mbps超は立派ですが、So-net系の4~6Mbpsでも全く問題ないと思います。余程大きな動画や画像をアップロードでもしない限り、上り速度が遅くて困る…と言う事はなさそうです。
速度計測では、b-mobileSとSo-net系で、速度域が明確に違う事が分かりました。
b-mobileSが快適である事は間違いありませんが、So-net系でも充分実用に問題はなさそうです。

NUROmobileSについて
NUROmobileのSoftbank回線SIMを契約した事は、過去記事で報告済みですが、決して派手ではありませんが実用面で快適に使えるSIMという印象で、日ごろ使っている家内の評価も上々です。
NUROmobileSのプランは非常にシンプルで、2GB/5GBの23つの容量に、通話機能の有無の4パターンしかありません。
その上に、かけ放題等のオプションを付けるか付けないかを選ぶだけなので、プラン選びで迷う事がありません。
料金は、2GB:980円、5GB:1,780円で、各々音声通話機能を+700円で付加することができます。
\ | データSIM | +通話 | 通話SIM |
2GB | 980円 | +700円 | 1,680円 |
5GB | 1,780円 | +700円 | 2,480円 |
また、NUROmobileには他社にない「データ前借り」という制度がありますが、通常、月間の契約容量を使い切った場合には、速度制限(低速200kbps)を受けたままで月替わりを待つか、別途費用を支払って容量の追加購入をしなければなりませんが、「データ前借り」は、自分の来月分の容量を使う事ができるため、高速通信を維持しつつコストもかからない画期的な仕組みです。
もちろん、前借りしてしまえば翌月分が減ってしまいますが、そのまた翌月からも前借りする事ができるので、一時的な利用容量の増加であれば、前借り可能な範囲で徐々に元に戻す事が可能なはずです(延々と前借りするようなら、そもそも契約容量が足りない訳ですから)。
他社ドコモ回線SIMと比べると、若干、割高な料金設定ですが、現時点での通信速度の状況や、Softbank版の旧iPhoneにSIMロック解除なしに利用できるなどのメリットを勘案すれば、充分に選択肢に入るSIMではないかと思います。
ただし、大容量プランが用意されていませんので、小容量ユーザー向けのSIMと言えます。
QTmobileSについて
QTmobileタイプSは、2018年2月1日より発売になった真新しいサービスです。
当初、WEB上に記載されたAPNには「qtmobile」とありましたので、独自にSoftbankと契約したの?と思いましたが、実際に契約してSIMを使ってみて、So-netがMVNEだと気づきました。
こちらは、QTmobileタイプSの通信速度ですが、回線(緑枠)を見ると「So-net」とあります。
実は最初気づいていなくて、SIM到着後何回か計測を行う中で「なんかNUROmobileにそっくりだなあ」と思っていて、ふと見たら回線が「So-net」とあり、「なるほどね~」となった次第です。
従って、速度や時間帯ごとの傾向はNUROmobileSソックリですが、料金プランについてはまったく異なる設定となっています。
\ | データSIM | +通話 | 通話SIM |
1GB | →700円 -100円 |
+900円 | →1,140円 -440円 |
3GB | →800円 -100円 |
+900円 | →1,240円 -440円 |
6GB | →1,400円 -150円 |
+950円 | →1,940円 -560円 |
10GB | →2,400円 -150円 |
+950円 | →2,940円 -560円 |
20GB | →4,000円 -200円 |
+900円 | →4,890円 -210円 |
30GB | →6,000円 -200円 |
+900円 | →6,890円 -210円 |
料金プランは全6タイプ、小~中容量に1GB/3GB/6GB、大容量に10GB/20GB/30GBを用意しています。
通話機能は一律料金ではなく、1GB/3GBと20GB/30GBはデータSIMに+900円、6GBと10GBでは+950円となっています。NUROmobile(+700円)と比べると通話料の加算が割高ですし、容量によって加算額が異なるのもスッキリしません。
また、キャンペーンの割引額も、データSIMでは容量が多いほど割引額も増えますが、通話SIMでは20GB/30GBでは割引額が減額されてしまうのも、ちょっと「?」な印象を受けます。
通信速度に関してはNUROmobile同等、プランに関してはNUROmobileにない10/20/30GBの大容量プランが用意されているので、20GB以上の大容量を希望するならQTmobileが一択となります(b-mobileSは最大15GBまで)し、示し合わせたように、NUROmobileにない「1GB」「3GB」「6GB」プランを提供しています。
今なら契約から1年間、キャンペーンで割引を受ける事ができます。
割引率では、6GB/10GBがお勧めとなります。
余談ですが、QTmobileタイプSでは、2018年7月まで「通話明細」「データ利用量」等の情報を会員専用ページで得る事ができない等、見切り発車的な部分も垣間見えるように感じます。
b-mobileSについて
私は現在、2016年11月に発売された「b-mobileS 990ジャストフィットSIM」を、SIMフリー版iPhone7でメイン回線(通話付き)で利用していますが、UQmobileから乗り換えた理由は、通信速度は同等か若干引けを取っても、さらに月額料金を安くしたい…という事でした。
UQmobileでは、2年契約ではないシンプルな「データ高速+音声通話プラン」を、月間3GBを1,680円で利用していました。このプランには通話サービスは付加できないので、「G-Call」を併用していました。
しかし、基本、事務所内でパソコン相手の仕事なので、数か月に1回程度は外出先での仕事やプライベートで3GBを使い切る事があっても、ほぼ毎月のようにパケットを繰り越しては使い切れずに消滅…を繰り返していて、勿体ないなあ…と思っていました。
当ブログを時々読んでくださっている方はご存知のように、iPhone7でのテザリングや、シェアプラン、SIM複数発行等を希望する背景には、こうしたパケットの無駄感から複数端末で有効に使い切りたい…という思いがあった訳です。
そんな時に登場してきたのが「990ジャストフィットSIM」でした。
- ある程度の通信速度は維持したい
- 大抵の月は容量1GBで足りる
- 数か月に1度、2~3GB使う事がある
- 1GB使用時990円の通話SIMは業界最安値
- 2GBまでならUQmobileより安く済む
- 通話サービスは特に必要ない(G-Callの半額通話で十分)
- 端末はSIMフリーiPhoneを買うので端末ラインナップや購入サポは不要
- Softbank版ロック解除不可iPhoneの手持ちがある
こうした私の希望に、まさに「ジャストフィット」だった訳ですが、昨年11月からの2か月余りを一言で言えば「合格!」の一言です。
最初の月の料金は2GBで1,490円+税(1,609円)でした。契約したSIMの速度計測でパケットを食ってしまい、1GBを超えてしまいました。
2か月目の料金は1GB以内に収まり、990円+税=1,069円と最少容量分で済んでしまいました。
UQmobileのまま「データ高速+通話プラン」で1年間利用した場合の料金合計は(1,680円+税)×12=21,768円ですが、b-mobileで3カ月に1度2GB使うとすると、(990円+税)×8ケ月+(1,490円+税)×4ケ月=14,988円となり、年間で6,780円の削減になるわけで、まさに料金に関しては、想定していた通りの結果で大満足です。
肝心の通信速度に関しては、こんなデータがあります。
計測日を見て頂くと分かるのですが、左の画像は昨年12月中の計測結果、右が前出の今年1月以降の計測結果です。
下り速度の平均値は、12月は「33.63Mbps」、1月以降は「23.21Mbps」と、約10Mbpsほど速度域が下がっているんです。
もちろん、現在の速度域でも十分に速く、日々の使用で速度不足を感じる事はありませんが、やはり徐々に速度が下がってくるのはMVNOの宿命なのかもしれません。
ただ、もっと短いスパンで見ると、年末前から落ちた速度が、年明けに回復して、最近また少し下がっている状況で、一時的に回線増強が行われて回復した時期があったように感じました。
公式WEBには特に記述はないので、不確かなワタシの感覚に過ぎませんが、私的には、低下してきた速度を放置したままにしないで回復の手を打ったのかな…と思えるのは、利用者として安心感に繋がります。
990ジャストフィットSIMの発売時に、社長自ら「音声SIMで月額990円という思いきった料金をご提示しながら1GBあたり500円を頂戴することで、お客さまが増えても常に快適で安定したサービス品質を維持できるように設計いたしました」と述べているので、その辺の期待は裏切らないで欲しいものです。
そんな訳で、若干の速度低下は見られますが、それでもまだ、新たに参戦したSo-net系SIMよりも速い速度を出せているので、必要十分な快適な通信環境は得られていると思い、乗換えに対する満足度はかなり高いものがあります。
月間1~2GB程度のデータ量を安く利用したい方には一押しかな…と思います。
LINEmobileについて
Softbank絡みで、最近、驚いたニュースがありました。
なんと、あの「LINEモバイル」がSoftbank傘下に入るとの事です。
LINEモバイルが実施する第三者割当増資をSoftbankが引き受ける形で、資本比率はLINE49%、Softbank51%となる事から、実質的にSoftbank傘下へ…と言う事になるようです。
LINEモバイルと言えば、2016年9月に当時はまだ珍しかった(かのFREETELが提供していましたが)「カウントフリー」を引っ提げて鳴り物入りでデビュー、その通信速度はドコモ系最速と言われたドコモ回線MVNOです。
ドコモと同じNTTグループの「NTTコミュニケーションズ」がMVNEとして技術面を支えたのは有名な話しですが、そのLINEモバイルがSoftbankグループ入りとはちょっと驚きました。
従来のLINEモバイルのユーザーは何も変更なくそのままサービスを利用できるようで、具体的な事は何も発表されていませんが、当然ながら、Softbank回線サービスを展開するでしょうし、その際にドコモ回線はなくなるのか、併売なのか、Softbankの調達力でiPhone販売に乗り出すのか、通信速度はどうなのか…等々、興味は尽きません。
2017年初頭にKDDIグループ入りしたBIGLONEモバイルも、半年後にはau回線プランをリリース、11月にはiPhone6s/SEの販売を開始する等、今回のLINEモバイルをなぞらえるのにちょうど良いモデルがありますので、余計に、Softbank回線サービスの登場やiPhoneラインナップが実現するような気がしてしまうのかもしれません。
通信速度については、KDDIグループの「UQmobile」「BIGLOBEモバイル」のように、棲み分けがされて、キャリアグループ入りをすれば必ずしも速度アップとは限りませんので、いつか登場するであろう、『LINEモバイルS?』に期待したいところです。
Softbank回線MVNO まとめ
今回は、私のメイン回線である「b-mobileS」と、新たに登場したSoftbank回線MVNO2社のSIMを比較してみました。
通信速度に関しては、b-mobileSとSo-net系では明らかに速度域が異なりますが、実際の利用上でSo-net系が速度不足という事はなく、十分に実用に耐えうる速度が出ていると思います。
ただし、それは明らかにユーザー数が少ないからである訳で、サービスインから約1年経過するb-mobileSとは同列に置いて比べられるものではないかもしれません。
NUROmobileも、QTmobileも最低利用期間は1年(通話SIM)ですので、気軽には乗換えられませんが、データSIMで試してみるのも良いかもしれません。
それにしても、私個人的な事を言えば、b-mobileS 990ジャストフィットSIMの満足度はめちゃ高いです。
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